宝塚

宝塚に学ぶ「真似することで変われる訳ではない理由」

真似することは良いのかどうか

よく「習うより慣れろ」と言われるように、まずは真似することで身につき成長できると言われますよね。

果たして本当にそうでしょうか。

そうであれば皆が成功者の真似をすれば全員が成功するのでしょうか。

それならばとっくに世の中は成功者だらけで悩む人なんて一人もいないはずですよね。

ある意味「真似することで変われるわけではない」とこのように世の中が立証しているようなものです。

ではなぜ真似することから入るのが良いとされているのか。

それは一から色々な学ぶよりも真似ることで体が先に覚えたり、勘が良い人ならばすぐに習得できるようになるからだと思います。また少なからず教える側も一から手取り足取り教えるよりも負担が減りますし、何よりもまず自分自身が実際に経験して気づきを得ることが出来るからだと思います。

成功する人との違い

真似をすることで成功できる人ととそうでない人の違いがここに大きく出るのだと思います。

まず自分で経験し、そこから気づきを得られるのかどうか。そこから自分で考え試行錯誤し、分からなければ聞いたり自分で調べ、どんどん自分の中に落とし込み、かつ更に学びを深められているかどうかにかかっているのだと思います。

ただ見て真似をするだけなら子供でもできる行為です。誰に教わるわけでもなく子供はまず親の真似をするようになります。そうして歩いたり言語を覚えていくのです。

真似をするところから入り、そこからその人と自分との違いや今の自分が更に身につけ学ぶポイントは何か。そのようにしっかりと自分をベースとして考え行動できているのかどうかで大きく結果が変わるのだと思います。

宝塚も上下関係は徹底されていて、基本は「見て学ぶ」がベースです。

これは知らない人も実は多いようですが、舞台でのヘアメイクは全てセルフメイクです。専門のヘアメイクさんがいるのではありません。

髪型も男役ならば自分の地毛を使って髪型を作っています。男役の基本の髪型であるリーゼントヘアも自分の髪の長さやバランスや毛量など研究に研究を重ね、整髪料も各自バラバラのものを使っています。演出家と相談して自分の役柄や年齢、時代を考えて髪色を変えたり、時にはかつらを使用したりします。

娘役であればかつらをどのような髪型にするか考え、髪飾りや身につけるネックレスやイヤリングなども自分で製作しています。劇団から支給されるものもありますが、ほぼ自分で作り用意をしています。日中は稽古があるので夜中に寝る間を惜しんでアクセサリを製作し、寝不足のまま舞台初日を迎えるなんてよくあることです。

メイクにおいては舞台用のメイク用品を使うのが基本ですが、ポイントで舞台用ではないメーカーの物を使ったり、メイクブラシも各々こだわりのものを使用し、つけまつげも沢山の種類や色んなメーカーの中から自分に合うもの色々試しながら使っています。

わざわざメイク教室にかよう人もいるほどです。そして先輩が使っているものをこっそり見ながら品番を調べて自分でも使ってみたり、同期同士で良いものをシェアして情報交換をしたりして常に情報をアップデートしながらより良いものにアンテナを張っています。

宝塚の入りたての頃と比べ学年が上がるたびにどんどん美しくメイク姿が様になっていくのはただ単に慣れたからではないのです。そのように常に模索し研究し、アンテナを張っているからなのです。

宝塚は上下関係が厳しい所ですが、先輩たちはとても面倒見がよく、よく後輩に声をかけて髪型やメイク、立ち居振る舞いに至るまで沢山のことを教えてくださいます。その時は教えてもらう以上のことを吸収しようと先輩の声を聞き漏らさないように皆必死に食い入るように聞きます。他の人が受けているアドバイスすら聞き耳を立てて自分ごとのように捉えて常に学ぶ姿勢を忘れません。

そうしてどんどん自分オリジナルのその人だけの輝きを身につけていくのです。

タカラジェンヌたちもほとんどが自身が誰かのファンになって入った人たちです。「その人のようになりたい」ともちろん真似から入って沢山のことを学び、成長していっているのです。私自身も色んな方の真似をし研究し、自分独自の目指す男役像というものが確立されていきました。そのように常に考え試行錯誤して悩む時間が一番苦しくもありましたが、それを上回るほどのとても充実した素晴らしい時間でした。

自分を知り、学ぶ姿勢ともう1つ必要なこと

ただ憧れの〇〇さんのようになりたいからとその人と同じ化粧品、同じようなメイクをしても顔の形や目は鼻の形が違えば全く違う顔になるように、今の自分を理解し、そこから何が必要で何を取り除いていくかなど、自分での気づきや研究をいかにできるかで結果は大きく変わるということなのです。そして何よりも誰かにやらされているのではなく、率先して自ら学んでいるという姿勢を持っているのです。

人に言われたまま、ただ真似をして成長できることというのは残念ながら少ないと思います。いかに自ら学ぼうという意識を持ち、今の自分を知りながら学び吸収し、自分の力にできるかどうかなのです。

真似をして成長する人とそうでない人はいてしまうのはこういう理由があるからだと思います。

今の自分を過信していたり、学ぶ姿勢が一ミリもない人というのは例え最高のアドバイザーや見本になる人がいたとしても成長や成功できないのはそういう理由なのだと思います。過去にどんなに素晴らしい結果を持っていてもそこから磨き続け、学び続けなければそれはただのあなたの過去の栄光であって今のあなたはそこまでの力をもっていないのです。

今の自分の力量を理解し、学び続けられる人は進化し続けている人です。今の自分からどんどん変わることを受け入れ、それを望んで行動ができている人です。

成功できる人は進化できる人というのはこういう意味なのだと思います。

あなたは自ら変わろうとしていますか?

心のどこかで今の自分でいいやと思っていませんか?そうするとどんなに行動して学ぼうとしても心では今の現状維持を望んでいるのであなたは変化を拒否していることになるのです。

変化を受け入れている自分でないと一生あなたは今の状態から変わることはできないのです。

変わりたくて憧れの人やロールモデルの人をいくら真似をしてもそのようになれないのは今日お伝えしたような理由があるのかもしれません。

真似をすることはとても素晴らしいことだと思いますし、真似したいと思える人がいるのならそれも素敵なことです。しかしそれをただの憧れだけにせずに自分のものにしたいのならば今日お話ししたことがきちんと自分は行えているのかどうか意識をしてみてくださいね。

風羽 玲亜

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