私の実体験

本当の自立

自立とは

あなたは自立が出来ていますでしょうか。

親からの援助を全く受けていないというだけではなく、しっかりと自分の意志と決断力を持って日々生きていますでしょうか。これが本当の自立だと思います。

本当の自立ができている人はどれくらいいるのでしょうか。

私たちは生まれてきて学生生活を送るくらいまでは親や先生など沢山の大人たちに守られています。良い意味で言えば「守られている」、言い方を変えれば「周りの考えや意見から多くの影響を受けてしまっている」と言えます。

成人になるまで制限されるものは沢山あります。契約に関しては未成年であれば親や親権者などの許可が必要になります。お酒やタバコも然りです。

そんな中で急に成人を過ぎてから自分で選び取る意識を持ち、自立する為には自ら意識を強く持って行動をしていかないと簡単に今まで通り親に判断を仰ぎ、最悪親に精神的にも金銭的にも依存しいつまでも寄生して生き続けることになります。

意識を持つ

あなたはこれまでの人生で自分の意思決定だけで何かを達成したり挑戦したことはありますか?

私がクリニックで働いていた頃は学生さんも多く来院していきましたが、自らの意思で相談に来た子と親につれて来られるがままに来た子と真っ二つに分かれていました。

相談内容を聞いても前者は自分の気持ちや悩みをはっきりと口に出せる子で費用もアルバイトをしたり貯金を使うなど自分で工面していたり毎回返金する約束で親に自分からお金を借りて持って来ていました。後者は本人は何も言わずに親御さんがずっと喋り続けるという状態でクリニックに通院するときも毎回親が同伴したり同伴はしないがその子が帰宅してから毎回内容の確認の電話が親御さんからかかってきたりと簡単に言えばかなり過保護の親御さんもいました。

私は子役の演技指導の講師もしているのですが、自らやる気のある子は自分で考え判断し、しっかりと宿題もこなしセリフもしっかりと覚えてくるので緊張しながらも必死にやり遂げる力を感じます。できなくて悔し涙を流す子もいます。しかし親に無理やり通わされているような子は気まぐれですぐにセリフも忘れ親の方が必死という状態です。

宝塚の受験相談を受けた時もそれは顕著に現れていました。本人が必死の子の方が格段に技術レベルも放つオーラもとても輝いており、誰よりも危機感をもち影の努力を人一倍していました。しかし親の方が必死だと本人はどこか危機感が足りず、どうしても受かりたいという気持ちもこちらにはあまり伝わってきませんでした。受験の為のダイエットも自らの意思で努力した子の方が圧倒的に成功し受験までに痩せていました。

誰のための人生なのか

このように例に出しても分かるとおり、どれだけ早く自立するかというのは今後の人生へも大きく影響が出ることだと思います。

成人を過ぎてもなんでもかんでも親に判断を仰ぎ、自分で決められないようでは自分の生きたいような人生を生きることは難しいと思います。

若いうちはまだ経験も知識も浅く不安になることも多いです。詐欺などに騙されないように経験者や親に聞きたくなる気持ちもわかりますが、自分で調べ自分の気持ちや考えをまとめた上で相談をして欲しいと思います。そういう癖や習慣をつけることを自らしていかないといつまでも親や誰かに頼りっぱなしで自分で判断し考える能力が一向に身につかないからです。

何かをしようと思い、自分の力で切り拓こうと思うのなら多額のお金が必要だったり保証人を立てなければならない様なものでなければ、親には事後報告だけで良いと思います。親からすれば事後報告だけなんてと言思われるかもしれません。

しかし親というのは「いくつになっても子を心配する者」です。

あなたは自分のためにも親に常に判断を仰ぐのではなく自分で意思決定し、親には事後報告という最低限の安心を与えるだけで十分だと思います。

あなたが親を安心させる生き方を心からしたいと思うのならば仕方ないですが、親を喜ばせる為だけにあなたの人生全てを捧げる事があなたが本当に望む幸せな人生と言えるでしょうか。今一度誰のための人生なのかしっかりと考えて欲しいと思います。

私の経験談をお話すると両親には「大事なことはいつも事後報告だ」と言われてきました。中学受験も宝塚受験も当時は思い切り反対されましたが、自分の意思を貫き私は自分の求める学校に行き、夢の宝塚の世界を経験することが出来ました。このことに一ミリも後悔はなく、この人生であの時に自分の意思を貫いてよかったと心から思います。そして夢であった宝塚を退団する時も誰にも相談することなく自分の意思で決め、退団が劇団から受理された時に初めて両親に退団のことを報告しました。

宝塚受験に関しては家族も親族も総出で大反対でしたが実際に夢を掴み、宝塚に入ってからはそんな両親も熱心に応援してくれました。私が宝塚に合格できたのは反対されたことによるハングリー精神も相まってだと思いますが、親の気持ちも考えれば当然の行為だと今では理解できます。

しかし『あなたがどう人生を生きたいかで人生は自分でいかようにでも切り開くことができる』と私は思います。

あなたはいつまでも親に判断を仰いだり親の言いなりの選択をし続けたいと思いますか?あなたは親の為に生きていますでしょうか。親孝行は出来るだけした方が良いと思いますが親の願いというのは自分の思い通りに生きてほしいとは思っていません。あなたが幸せに生きる事をのぞんでいます。

親に甘えて楽な生き方ばかりしてしまうと、困るのは間違いなくあなたです。今の現状が心地良いとぬるま湯に浸っていてはあなたはこれから何も乗り越えられず何も成長できずにいてしまいます。

自立した生き方

『金銭面でも精神面でも自立する』『自分の意思決定で人生を切り拓く覚悟を持つかどうか』で将来は全く違う人生になります。

私たちには幼い頃からの周りの大人たちの考えや要素がふんだんに刷り込まれてしまっています。それが今の自分の価値観や思考となってしまっています。あなたの心の声をしっかり聞いてみてください。あなたの意思ではなく「全てこれまで関わった大人たちの要素」でないかどうかしっかりと見極めてください。

あなたの人生はあなたが作り上げていく事が出来ます。そこに自分の意思を持ち自分の力で切り拓いていく覚悟がなければあなたの人生ではなく、誰かが期待する生き方になってしまいます。

あなたはどんな人生を生きたいと思いますか?

その為の自立ができているか今一度自分を振り返ってみてください。

風羽 玲亜

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