伝統についての感覚
あなたは伝統と呼ばれるものを重宝していますか?
あなたにとって代々言われてきたことや昔から伝えられてきたことについてどう捉えていますか。
伝統とは、ある民族・社会・集団の中で、思想・風俗・習慣・様式・技術・しきたりなど規範的なものとして古くから受け継がれてきた事柄を指します。
宝塚もまさに伝統を重んじる「伝統芸能」だと言われています。しかし伝統だけでここまで多くの人に愛され100年以上続いてきたわけではないと思います。というのは毎年のように宝塚は新しいものをどんどん取り入れていっているからです。だからこそどんなに世代が離れていても幅広い年齢層の方から支持されているのだと思います。
宝塚が長く支持されている理由
特に歳の若い人たちは「古臭い」と感じてしまえば興味を持たず、新規のファンも増えないと思います。しかし宝塚は品や美しさを保ちつつ新しい要素が次々と取り込まれ時代と共に進化していきたのでここまで続いているのだと思います。
ラブロマンスが定説ですが、コメディや大人気のアニメやゲームなどが舞台化されたりもしました。昔は一切のベールに隠されていた稽古場や劇団内部もタカラヅカスカイステージという衛星チャンネルが出来、毎日のようにどこかの組の稽古場風景を見ることができます。
しかしファンを幻滅させないように守るべきところはしっかりと押さえつつ、ファンの皆さんが喜ぶような新たな取り組みが沢山なされています。
つまり伝統を重んじるこの姿は「故きを温ねて新しきを知る」、つまり温故知新の精神の元で受け継がれているのだと思います。
温故知新の精神
温故知新の意味は「昔のことを研究し、そこから新しい知識や道理を発見すること」です。これはまさに受け継がれてきたものをそのまま取り入れるのではなく今の時代にシフトチェンジしながら引き継いでいる宝塚の姿です。
これは世間や周りの年長者から言われてきたこと、昔から言われていることに対しても同じように取り組むことで私たちはより良い人生にすることができるのではないかと思います。
昔から言われてきたこと、特に親や会社の上司や年長者から言われることや知恵や知識もそうですが、ただ言われるがままその通りにしてしまったり、古臭い考えだと一蹴りして全く取り入れないようにしている人は実は多いのでないかと思います。
言われるがままでは今の時代にそぐわなかったり自分の成長にもつながらず、やっている本人がなぜその事を引き継いで行っているのか一番理解せずにいてしまいます。それでは単なる時間や知恵の無駄遣いになってしまいます。
また古い考えだとして一切受け入れなければ先人たちの知恵も宝の持ち腐れとなり、せっかくの活かす機会を自ら逃してしまいます。また良かれと思って伝えてきてくれた人たちを蔑ろにし重んじない姿勢も人々の間で摩擦しか生みません。
自分達の人生に活かす
自分にとって耳が痛い話に関してもそうですが、自分が気が向かない限り有益な情報を自ら逃してしまっている人は多々いるのではないかと思います。特に昔から引き継がれてきたものというのはここまで引き継がれてきた理由があり、何かしらの影響力や説得力があるからなのです。必ず今の時代に活かせる要素は沢山隠れていると思います。
親や年長者の言葉や昔から伝わるものに対して是非「自分が生きる為の知恵としてそれをどう活かすか」という目線で受け取ってみて下さい。少なからず自分より長く生きてきた人は自分と同じような悩みももちろん経験してきている人が殆どです。その人たちの考えや受け取り方なども聞きながらその上で自分はどう解釈し、どう活かすかを是非考えてみて下さい。その時点ではすぐに理解できなくてもあなたが色んな経験を積んで後からわかることもあるかもしれません。
伝統は私たちに色んな気づきを与えてくれるものです。「根底にある本当の意味や伝えたいものをしっかり理解し受け取ること」それこそが伝統を重んじ受け継ぐことではないかと思います。
風羽 玲亜
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