宝塚

宝塚で学んだ準備の大切さ

ハプニングにどう対処していますか

突然、あなたの目の前に信じられないようなショッキングな出来事が起こりました。そうなったら、あなたはどうしますか。

大騒ぎする人、辛くて大泣きする人、無気力になってしまう人、様々だと思います。自分の予想を遥かに超えたことが起きた時、何が起きたのかすら理解できずに思考停止になる人も多いと思います。

そんな時こそ自分を成長させるヒントやチャンスが隠されているとはよく言われますね。『ピンチはチャンス』ですがなかなか普段から意識をしていないと、突然のことにすぐに対応できる人は少ないと思います。

人は自分の経験や知識から物事を判断します。それは対処法に関しても同じで、まずは自分の知識や経験のもとで処理しようとします。

九死に一生スペシャルのように追い込まれて突然のアイデアで危機を乗り越えることはもしかしたらあるかもしれませんが、誰もがいつでもできることではないと思います。

ではどうすれば良いのか。やはり日頃からの準備がものをいうのだと思います。

突然のことでも落ち着いて対応できる人が、危険を回避し被害を必要最低限に抑えることができるからです。

日頃の訓練と情報ジプシーの差とは

うちの近くに消防署があるのですが、消防隊員がしょっちゅう訓練をしているのを見かけます。

実際に建物の2階で火事が起こった程で大声を上げてロープを登ったり声を掛け合いながら真剣に訓練をしています。その様子を直接見ることで、街中でサイレンを鳴らした消防車を見かけるたびに日頃の準備の賜物だと感心します。

消防隊に関しては火を沈静化することと人命救助が目的で、ある程度は想定ができるシチュエーションです。

しかし人生における出来事というのは想像を上回ることになるので何を準備して良いのかわかりませんよね。

「そういう時こそ知識が物をいうんだ」と思って沢山本を読むことを考える人もいると思います。しかしいくら知識をつけたところで身についていたりそのことを実践し且つやり慣れていなければその知識が本当に役立つことはありません。

これこそ情報ジプシーの悲しき実情だと思います。情報ばかりを見聞きしたところで実践できなければ意味がありません。ただの宝の持ち腐れとなってしまうのです。

確かに何かをしたい、挑戦したいとなった時にそのことについて調べて深く知ることは大切ですが、そこから実際に試してみる経験をしないとあなたにとって本当に役立つ知識かどうかも分からないのです。

そんな情報がなくても実際に試して経験をもとに試行錯誤した方が、あっさりその夢を叶えてしまうことだってあるのです。

いざという時は知識よりも経験が圧倒的に役立ちます。特に一刻も早く対処しないと大変なことになる時ほど頭の中の知識を掘り返すよりも体でも覚えている方がよっぽどスムーズに早く対処できるのです。

じゃあどうすれば良いのか。それは日頃から物事に対しての訓練をすれば良いのです。毎日毎日予想外のアクシデント続きの方はなかなかいないかもしれません。しかし小さなドラマは誰もに日々起きていると思います。

そんな時こそ今後の為に訓練をしてほしいのです。

宝塚で学んだこと

宝塚時代にこっぴどく言われたのが、『稽古場でできないのなら本番でも絶対にできない』という言葉でした。

稽古場は全てを曝け出して稽古できる場所です。つまりいくらでも失敗できる場所です。しかしいざ本番で舞台に上がってしまうと、お金を支払い楽しみにしてくれているお客様の前で失敗はできないのです。

だからこそいくらでも失敗できるうちにいざ本番でできるように訓練するのです。失敗を思い切りすることで本番には落ち着いて取り組みことができるからです。失敗をすでに経験しているのでもう同じ失敗をしないように気をつけることもできますし、日頃から何度も訓練し準備してきているので体が覚えてくれているのです。

タカラジェンヌたちはアスリートのような精神の強さと根性を持っていますが、そうは言っても人間です。ロボットではないのでコンディションがすぐれない時もあれば体がいうことを聞かなかったり色んなミスをする時もあります。

私自身も宝塚時代に踊りながら頭が真っ白になって「次の振りなんだっけ」となったこともありますし、怪我を我慢しながら舞台に立った時はあまりの激痛に堪えるのに必死で「次のセリフはなんだっけ」となった事があります。今思い返してもゾッとするような経験でしたし、これはタカラジェンヌあるあるの話なのですが、未だに出番に遅れたり、セリフが覚えられない、忘れて舞台に出てしまうなどの夢をよく見るとみんな言います。それくらい恐ろしい出来事として脳内にインプットされているということです(笑)

しかしその時は無意識に体や口が覚えていたのでその場を問題なくやり過ごすことが出来ました。頭では思考停止状態で「どうしよう」となってしましたが、このように体が覚えていたことでほんの数秒の間で一大事を見事乗り切ることが出来ました。

一瞬の判断で命拾いにも致命的になることもある

宝塚の魅力の1つに群舞というものがあります。何十人の人間が一糸乱れずに同じ振りを踊り、一人一人だけではなく全員での総合芸術として魅せるものです。

その時に誰か一人が振りを間違えればその美しさは半減するどころか、振りを間違えた人に嫌でも視線を奪われそのシーン自体を台無しにし、お客様を一気に宝塚の夢の世界から現実へと目を覚まさせてしまうのです。

セリフも同じことです。言葉の掛け合いでその場面が成立するのですから会話のやり取りをする相手だけではなくそのシーンに出ている全ての出演者に迷惑がかかってしまいます。そしてその場面がストップすることでその物語全体の流れにもストップをかけてしまうのです。

お客様は宝塚の夢の世界に浸りたくていらしています。それをこんな一瞬の出来事で一気に現実へと引き戻してしまうことになりかねないのです。

しかし稽古場で沢山の失敗を経験し、対処を身につけていくと咄嗟のことでもアドリブで乗り切り、誰にも気づかれない時もあるのです。

このように普段からの準備をするかしないかで事は大きく変わります。それが人生の出来事ならばより大きな影響が出ることになるのです。その場をいかにスムーズに対処できるかどうかで後々の人生が大きく変わるのです。

具体的な方法

では具体的にどうすれば良いのか。

それは何か起きた時に「うまくいく人生だとしたらこれは何を伝えているのだろう。」「何を知る為のサインなのだろう」と思って対処する癖を身につけることです。これこそ日頃から訓練しないと身につかないことです。

これには良い効果がもう1つ隠れています。それは物事を悲観的にみるのではなく、どうせうまくいくという自己暗示の効果もあります

人生は何が起こるかわかりません。しかし潜在意識というもので自分が人生はこうだと思い続けるとそのような人生を作りあげてくれるのです。ですのであなたがどういう人生にしたいのかはあなたが決められるのです。

そうは言っても心配性な方や普段からネガティブ思考の方は常に捻じ曲げて物事を捉える癖があります。ある意味そうやって毎日過ごすことで『ネガティブな考え方をする訓練をしてしまっている』とも言えます。

いきなり楽観主義になることは不可能です。なぜなら元ネガティブ代表の私自身が無理だったからです。毎年の目標がポジティブになりたいと思っていました。だから毎年そう言いながらも無意識にネガティブな思考を訓練してしまっていたのです。

であれば日頃からの訓練の内容を変えれば良いのです。潜在意識は繰り返されるものを強く刷り込みます。ですので「うまくいく人生だとしたら何を伝え、何を知るためのサインなのか」と出来事に向き合うことで、うまくいく人生の為の考え方に自然とシフトができ、気がつかないうちにその考え方に変わっていけるからです。

意識しただけでは簡単に人は忘れてしまう生き物です。なので日頃の訓練をして無意識に刷り込むことで違和感なく考え方や癖を変えて行くことが一番スムーズなのです。

この方法は実は私が宝塚に2度目の受験で合格した時に、意識なく自然と行っていた方法なのです。詳しいことまた別の機会にお話ししますが、このように自分の人生を決めた上で物事に取り組む方法を是非普段から癖づけてみてください。

実践が圧倒的にあなたの人生に役立ちます。人生を変えるのはあなたしか出来ないことですから。

風羽 玲亜

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