強い人、弱い人
あなたは強い人間ですか？それとも弱い人間ですか？
人生には色んなことがあります。それを乗り越える為には強さが必要だと言われてきました。
『弱いのはダメ、強くなれ』と特に体育会系色が強いところでは当たり前のように言われているのではないでしょうか。
「弱音や愚痴を吐くのは弱い証拠である、強さが正義だ」と立証させるかのようにカースト制度のように上から当たり前に理不尽な要求をされ、反論は許されずに体をボロボロにしてまで必死に働いてきた人も沢山いると思います。
しかしそんな生き方で人は幸せにはなれるのでしょうか。
私は答えはNOだと思います。時代はどんどん変化し、会社に属するのではなくフリーランスや企業するような人も増え、多種多様な生き方が昔よりも増えました。
しかしそれでもまだまだ幸福であるとは言い切れない現状に悩んでいる人も沢山います。
精神論や考え方がまだまだ古いものが良しとされていたり、上に立つ人たちの考えが変わっていないからという部分も大きく影響があると思います。
また私たちも昔から言われてきたことが脳内に染み込んで、それを自分の意見や意思かのように生きているからではないかと思います。
強い人を目指していた私
私自身も常に強くありたいと思っていました。中学受験や宝塚受験に関して家族が反対する中でそれを押し切って入学したことや、宝塚に入ったのと同時に親元を離れた生活を送ったこともあって、強い自分でなければ乗り越えられないとすら思っていました。
宝塚出身のOGたちは口を揃えて「宝塚は観ている方が何倍も楽しい」と言います。練習もとてもハードですし次から次へと覚えることは山積みで休みも週1日です。稽古が重なった時は１０連勤になったり、稽古の前後に自主練習をするので労働基準の時間を度外視した活動量でした。体力だけではなくメンタルのタフさがなければ乗り切れない環境でした。
受験当時から家族が大反対だった為、弱音をいうことも出来ず家族には頼れないと思い、その頃から自分を追い込み根性だけでやってきた私はその方法しか知らずに生きていました。
宝塚という特殊な世界ではその根性論、強さでなんとか乗り切ることができました。
しかし宝塚という守られていた世界から一気に人生という大海原に飛び出してみるとその方法は全く通用せずに、何度溺れかけたかわかりません。
他の人よりも根性だけは負けない、一緒に働く周りの人たちからも強いねとよく言われていました。自分でも自負がありましたし、その時も変わらず強くありたいと思っていました。
人間関係の悩みも絶えませんでした。どんどん焦る日々を送り、強かった精神もどんどん疲弊して自暴自棄になって弱くなってしまっていました。何にでもイライラして自分が毎日不幸だと思い悩み、精神的にもう限界でした。「あんなに強かった自分がこんな状態になるなんて」その状態がさらに自分を哀れに感じる出来事だと感じ、自分の強みでされもう何もないのかとショックに打ちひしがれていました。
結果誰にも頼ることはできず、間違った方法で自分を苦しめてついには絶望してしまった私でした。
宝塚では通用しても人生では通用しないことなのだとやっと気づくことが出来ました。
強さだけでは人生には通用しない
強くても環境が変わればこのように通用しなくなったり、自分を追い込み無理することが当たり前となってしまって結果自分の限界を超えて精神も心も病む人は少なくないと思います。強くいようと思えば周りもあなたを強い人とみるようになり、あなたに他意はなくてもどんどん負荷をかけてきます。
会社勤めをしていた時は、軽い体調不良やズル休みをした同僚の分の仕事まで全て私が補っていました。私自身精神的に病んでいたので早く帰りたいと思っていても弱音をいうこともできず、強い自分に見せたくて一人でこなしていました。人を頼ることも全く出来ませんでした。
上司にもその姿が「強い私」だと見られて無理難題を押し付けられたり、他の人の仕事もこなすような日々を送っていました。その分、役職は上がりましたが、そんなことがあっても私は一ミリも幸せだと感じることは出来ませんでした。
精神がいくら強くても人生は幸せにはありません。私は身を持って経験しました。
私たちは身につけるのは強さではなく『賢さ』だと思います。
人間関係にしてもそうです。
- 弱い人はいつまでもウジウジ悩み続け、いつかやり返そうとその負のエネルギーをいつまでもずっと握りしめています。
- 強い人はそのことを許し、受け入れます。しかし無理をするのが当たり前になり、結果どんどん心は蝕まれていきます。
- 賢い人は何が大切かを考えるので負のエネルギーを受け取らないようにスルーをします。
これをみてあなたはどの人が幸せな人生を送ることができると思いましたか？
あなたは無理やり強くなろうとはしていませんか。それでは自分の心に負担をどんどんかけてしまっていつしか心を失うか体を壊してしまうと思います。
幸せな人生のために身につけた方が良いもの
人生を幸せにするに強さではなく『賢さ』を是非身につけてください。
賢さは目先のものや一瞬の感情に振り回されずに物事を冷静に判断することが出来ます。
「つい感情的になってしまって」「考えなしの咄嗟の判断」などで後から後悔してしまうようなことも避けることが出来ます。賢明な判断は自分だけではなく、自分の大切にしたい人をも守ることが出来ます。
人生は「自分さえ良ければ」という考えでは決して幸せにはなれません。私たちはいかなる時も対人関係の上で生きています。人との関わりを一切断ち切って生きることも出来ませんし、温かな人間関係は幸せな人の必須な条件でもあります。
人生最期の時に私たちが持っていけるのは高価な物や高い地位や名誉ではありません。それらは何１つ持っていくことは出来ません。私たちが最期に持っていけるのは思い出という記憶です。
たった一人で幸せな思い出、記憶を作ることは出来ません。必ず人との関わりが必要なのです。
賢さを身につければ人生を幸せにするために大切なこと、必要なことを理解することが出来ます。
そのために何を選び、何をせずに、何をするか、自分にとって最良の行動をしていくことが出来ます。
強い自分よりも賢い自分をぜひ目指していただければと思います。
風羽 玲亜
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