私の実体験宝塚

元タカラジェンヌが教える「好感度の高い話し方」②実践編補足『目から入る情報について』

1回目の序章編、2回目の実践編と書いてきましたが、今日は前回に続く「目から入る情報について」お伝えをしたいと思います。

1回目と2回目をまだご覧になっていない方はこちらからどうぞ

所作に気を配れていますか

1回目の時にもお話ししましたが、印象を決める要素の多くが「目から入る情報」です。ぱっと見でわかる情報だけではなく、まるでビデオで撮った時にわかる情報もその要素に含まれます。

つまりあなたの所作からも印象が決まってしまうということです。

あなたは歩く時の足音はどうですか?これはヒールがあるなしに関係なく、足音がする歩き方をする人は間違いなく、行動と共に物音を立てる傾向にあります

タカラジェンヌたちは頭のてっぺんから足のつま先まで神経を研ぎ澄ませ意識して動くように徹底的に教え込まれます。

舞台上で足音がうるさければ場面を台無しにしてしまいますし、舞台前面には「ガンマイク」といって大勢の声を拾うためのメイクが備え付けられています。コーラスで迫力があるのは個人の声量ももちろん大きいのですが、マイクを持っていない人たちの声も拾うことで全員の声が届いてくるからです。足元にマイクがあるので足音が大きいと舞台の邪魔でしかないのです。どんなに大勢で踊ったとしてもタカラジェンヌは足音をさせません。舞台上では基本7センチ、背の低い人ならそれ以上の高さのヒールの靴を履いています。

体を引き上げる力がないとそのヒールで舞台に立ち続けることは出来ず、足を痛めてしまいます。ですので常に背筋を伸ばし、体幹を鍛え、自分の力で引き上げているので足音もせずに歩き方も綺麗なのです。

街中でもとっても綺麗に着飾っているのに、歩き方と姿勢が悪い人をよく見かけます。いくら素敵な格好をして、スタイルをよく見せようとヒールの高い靴を履いていても歩き方や姿勢がそれではとても勿体無いことになってしまいます。

そういう人は決まって足音がしており、膝は曲がり靴を引きずるように歩いています。つまり体を引き上げられていないのです。

TVや映画では効果音としてわざと靴音を入れていますが、綺麗な歩き方というのは本来音がしません。こういった影響から踵をコツコツ鳴らすのが素敵だと勘違いしている人も実は多いのかもしれません。

これまで気にかけたこともなかったのでしたら、是非自分の足音そして物音に気を配ってみてください。書類やカバンなど音を立てて置いていませんか?先ほども言いましたが足音を立てる人は物音に無頓着です。必然的に物を扱う時に物音をさせている傾向にあります。

忍者のように一切の物音を立てずに行動するのは難しいですが、少し気をつけるだけであなたの姿は見違えてよく見えます。なぜなら物音を立てないように神経を張ることで動きが丁寧になるからです。

所作は相手の目に入る情報です。所作が美しいとあなた自身の価値も上がります。相手から素敵だと感じてもらい好感度が上がるのです。そしてあなたが何かを扱う仕事をしているのならその商品価値も同時に上がるのです。

無意識にお客様相手でも物音を鳴らしている人は意外と沢山います。それがいくら高級なホテルや高級なコスメカウンターでも近い距離で接するほど普段の行動というのが出るのです。これほど残念に感じる瞬間はありません。

素敵なスーツや洋服を着ていても所作があなたを台無しにしている可能性はとても高いです。あなたが普段扱う靴や鞄の裏を見てみてください。深く削れていたりしたら、そこにあなたの普段の動き方が見えてくると思います。

目線はどこをありますか

もう1つ気を配って欲しいのがあなたの目線です。

「話すときは相手の目をしっかりみて話すように」と言われて来た方も多いと思います。しかし私はその逆で「相手の目を見過ぎないこと」を意識して欲しいと思います。

特にそれが初対面なら尚更気をつけて欲しいと思います。なぜなら初対面はただでさえ相手は緊張しています。そんな中、じっと見つめられたらどう感じるでしょうか。居心地が悪く、人はずっと見られると追い詰められていると感じ逃げ場を失ってしまいます。

挨拶をする時は相手の目をしっかり見てにっこりと笑顔で挨拶をすると思います。その後は、じっと相手を見ることはせずに相手の胸の辺りや何か紹介したい物があるのならその物に目線を落として相手の視線を定期的に逃してあげるようにしてください

人はどうしても熱心に相手に伝えたいことがあると相手の目を捉えて離さないようにしてしまう傾向にありますが、相手からしたらそれは脅迫にも感じてしまいます。もしあなたが営業職である場合、相手はじっくり考える時間が欲しいと言って2度と会うことはないかもしれません。

好感度の高い会話というのは相手にリラックスしてもらうこともとても大切です。

それなのにあなたがいくら見た目を素敵にしていても足音や物音をガンガン鳴らし、獲物を捕まえる獣のように見つめてしまっては、相手はリラックスするどころか萎縮してもう2度と会いたくないとすら思ってしまうでしょう。

1対1で話すのなら、尚更相手の視線や目線というのは気になる物です。あなたはいつも相手をガン見して話していませんか?相手に失礼がないように一生懸命相手を食い入るように見てしまっていませんか?時にはそれが熱心な姿として相手に伝わる時もあります。しかし会話中に四六時中ずっと見られていては、相手は一向に落ち着かないのです。

無意識の行動は色んな場面でも出る物です。あなたは自分の目線に気を配れているでしょうか。

対人関係のベースは無意識の判断

いかがでしたでしょうか。このようにあなたは会話中に相手の目に入る情報にも気を配れているでしょうか。話の内容、口調ばかりに神経を張っていませんか?プレゼンや商談の場合、わかりやすい資料やデザインにばかり固執してしまっていませんか。

もちろん見やすい資料というのも相手の理解を高めますし、あなたのビジネス能力も誇示し、商談をスムーズに進めることができます。しかしその時にあなたの所作が残念だとそこに意識を奪われ相手の気が散ってしまう可能性も大いにあるのです。

相手も人間です。対人関係のベースは「無意識の判断」と言われています。

どんな人間が話すのかというのはあなたから見えてくる情報から既に判断は始まっているのです。足音を鳴らしながら部屋に入ってきて、PCを音を立てながら机におく姿を見て相手はどう感じるでしょうか。話す間に四六時中食い入るように見つめられては、どう感じるでしょうか。

印象を決める大部分は目から入る情報です。話の内容というのはわずか7%の要素しか占めていません。また、人の第一印象は6ヶ月ほど相手の中に残ると言われます。第一印象というのはなかなか払拭されることはありません。

逆を言えばあなたの第一印象が良ければなかなか会えていなかったとしても相手に長く好印象として残るのです。それが仕事関係なら末永い関係性につなげることができ、またそこから人を通してビジネスの拡大につなげることもできるのです。

長く続くビジネスというのはリピーターが多いことも影響しています。そこから口コミが増えたり、そのリピーターから紹介を受けてまたお客さんが増えていくので長く続くのです。リピーターを増やす為には第一印象を良くして「また会いたい」「また来たい」「もっと話したい」と思ってもらう必要があるのです。

これはビジネスでなくても言えることです。そこから会う機会が増え、絆が深まり、またそこから紹介などで人とのつながりが増え、沢山のチャンスがあなたに舞い込むのです。

次回は会話をさらに上げる為のコツである「少しのユーモアを」についてお話をしていきたいと思います。

次回もどうぞお楽しみに。

風羽 玲亜

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